「文化財の英語解説のあり方について」が策定されました

平成28年8月4日、文化庁から

 「文化財の英語解説のあり方に関する有識者会議」における検討を踏まえ,訪日外国人旅行者が文化財の魅力を十分に感じ,楽しめるような環境整備に向け,文化財の英語解説に当たり必要な視点を整理し,具体的な取組事例をまとめましたのでお知らせします。

という発表がありました。

「文化財の英語解説のあり方について」の策定について|文化庁

資料では、

2015 年,訪日外国人旅行者数は約 2,000 万人に迫る勢いで飛躍的に増加した。政府としては,2020 年には訪日外国人旅行者数を約2倍となる 4,000 万人に,2030 年には約3倍となる 6,000 万人とすることを目標に掲げている。

という現状を元に、文化財の英語解説をどのようにすべきかが以下のように策定されています。

  • 視点1 日本語の解説を直訳せず,基本的な用語の解説を補足する等,文化財を理解 する上で前提となる情報を解説に盛り込む。 
  • 視点2 外国人の目線でその文化財のどこに興味・関心を持つかを把握し,メリハリ の利いた解説内容とする。  
  • 視点3 案内板とパンフレットなどの解説媒体に応じ適切に情報を書き分けるとと もに,デザイン上の見やすさや景観との兼ね合いも考慮する。  
  • 視点4 分かりやすい解説のためには,英文執筆・翻訳を委ねることができる優れた 人材の確保が重要。 

その他、

「解説の作成者自身が文化財の価値や背景を理解し」

「できる限り日本語から翻訳せず英語で文章を作る」

「地域で活躍する外国人の方や海外で日本の歴史や文化を研究している方などと連携」

「現場の状況や外国人のニーズを良く把握している通訳案内士等の活用」

という内容でした。

人材の確保やコストなどについては課題も少なくなさそうですが、やはり文化財や歴史を素材にした案内板を扱う以上はまだまだ人力での作業は欠かせなそうですね。

Monumentoには既に6,000点近くの案内板データ(写真&緯度経度)が登録され、同時に文面のデータ化も進められています。そのベースとなっているのも、やはり街歩き&歴史&位置情報好きな皆さんの人力です。

今後、IoTやDrone、人工知能の進化や実用化で情報の収集や活用がどんどん便利になっていくのも楽しみですが、街歩きや歴史をたどりながら情報を創り出していく楽しみはまだまだ取って代わられることはなさそうです。😄

©Monumento